Special Interview
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Special Interview 第1回  副支部長 中平俊一さん(56歳  PM25年生)


ペースメーカーも、ひとつの縁

Q. ペースメーカー友の会への入会のきっかけと動機をお願いします。
ペースメーカー植え込みは昭和63年。25年前のことです。当時31歳、仕事に没頭するあまり睡眠不足で不規則な生活をしていたツケが来たのでしょう、突然心筋梗塞で倒れ、救急車で運ばれそのまま入院。完全房室ブロックを起こし、まず体外ペースメーカーのお世話になり、自脈が戻らないことから体内ペースメーカーを植え込むことになりました。

植込後、入院中は安静とリハビリの毎日、ほかにすることがありません。自分の病状とペースメーカーなど人工臓器を中心に一般向医療書籍や医学専門雑誌などをとりよせ、読みあさっていました。そのなかで「家庭の医学」のコラム記事に友の会の紹介記事をみつけました。これが友の会を知ったその時でしたが、実はあまり気にもとめずにおりました。

退院後自宅でしばらく療養していましたが、病状は安定していて、自分が受けたペースメーカー植込みを含む医療処置全般について、ひととおり理解し納得し安心しており、機器の不具合もなく、大きな不安もない、そんな状態でしたが、つれずれに本会のことを思い出し、友の会事務局に電話してみました。懇切丁寧な説明を受けて、紹介された「かていてる」誌を読んでみたい、そして、同じペースメーカーをつけている会員の方々の話をきいてみたい、そんな気持ちになり、入会することにしました。

ペースメーカーや病状に不安がありそのために求めたわけではなく、軽い気持ちでのんきに入会することになったのですが、それは、実は全くもってペースメーカーのおかげだったわけです。その当時、ペースメーカーなしの自脈では生命維持すら困難だったわけですから。感謝、感謝。

Q. 本部&支部役員として活発に活動されるようになったきっかけはなんですか?
会合に出席して、大勢の先生方のお話やQアンドAを聴き、そして会員の方々と話をさせていただくことは、いままで知りえなかった世界であり、そのなかで医学の進歩を実感しそして感謝するという貴重な時間でした。「かていてる」誌で得る知識は、常に最先端のものでペースメーカーの歴史と現在そして将来を伝えてくれるものでした。

あるとき、東京支部の会合に出席したところ、役員さんから支部運営を手伝ってほしいとお声をかけていただきました。迷いましたが、そのころ時間的余裕があって、お手伝いをさせていただくことでペースメーカーとその世界をより知ることができるだろうという関心もあって引受させていただきました。

すでに職場に復帰していましたが、会社では結構気をつかってくれていて時間の余裕がありました。まだあまり知られていないペースメーカーを埋め込むことになったことに周囲が気をつかってくれていたのでしょう。今は時代も変わり、当時には思いもよらなかった忙しい日々をおくっています。友の会のお手伝いもおろそかになっています。そうなったのも、ペースメーカーの進歩と普及と世間での認知の広がりのおかげといえるのかもしれません。でも、どんなに忙しくても、年1回の東京支部の総会の懇親会のエンディングでは、来年の再会を誓って「また逢う日まで」を毎年歌い続けています。この年中行事はひとつの生きがいに近いものとして自身の中に定着しているような気がしています。

友の会への若い人の入会が少ないのは、何故だと思いますか?
現役世代の方はペースメーカーを入れて元気になると、仕事を含め日常の生活にいそがしく、友の会との関わりが遠くなりがちで、まして、会のお手伝いをしていだだける方はなかなかいらっしゃいません。

これは理屈ではありますが・・・ペースメーカーは、完成度の高い人工臓器と言われますが人造物であることに変わりなく、医師の先生方をはじめとする高度な専門家集団によってコントロールされていますがこれも人の手によるものですから、最近の笹子トンネルの事故をはじめさまざまな事故ではないですが想定外のことが万一も無いとは言えないわけです。バリバリ仕事をしているといってもペースメーカー患者としては「かていてる」誌を読んだり、友の会に参加したりして、新しいペースメーカー事情を知っておくことは、有効なリスク・マネジメントだと考えます。

たとえば、将来の病気。今までのペースメーカーでは検査できないMRIを受けることができれば病巣が早期に発見でき助かっていたかもしれない、といったことが自身に降りかかるかもしれません。医療は医師まかせにならざるを得ないということもありますが、医療機関の選択や医療の受け方、さらには病気予防のために、知識はきっと役にたつはずです。

若い入植者へのメッセージがありましたら、お願いします。
最後に、友の会運営のお手伝いについて。ペースメーカーを入れることになったのがひとつの「縁」だとしますと、この縁も大切にして、ひとつ踏み込んで、友の会の運営に身を置いてみることは、「自分を見つめる」というと大げさですが、それに近い貴重な時間になるのではないかと思います。それに、友の会の運営のお手伝いでの経験って、意外と本業でも役に立つんです。

友の会で会員として運営に関わるボランティア活動ができるというのは、ペースメーカーを植込んだ方だけの特権ともいえます。このチャンスを逃す手はない。

現役世代の会員のかたも、仕事や日常生活とのバランスもとりながら時間の許す限りでいいと思いますので、友の会運営のお手伝いをしてみてはいかがでしょうか。